睡眠不足のままダイエット 耳の痛い話

睡眠不足がダイエットに与える影響

 現代人にとって、睡眠時間の確保というものがどんどん遠ざかっているのではないでしょうか。皆さんは一日何時間の睡眠をとっていますか。私はだいたい5時間くらいになります。私も睡眠とダイエットの関係を以前調べていたのですが、耳の痛い話ばかりが載っていました。しかし、ダイエットだけでなく、健康、とりわけ生活習慣病の一因ともなりうる睡眠不足は、何とか解消しながら健康的に気持ちよくダイエットをしたいものですね。
 まずは、睡眠不足かどうかのチェックをしてみましょう。この中で1つでも当てはまる人は睡眠不足になっている可能性があります。
1. 布団に入っても30分~1時間眠れない
2. 夜間の睡眠中に何度も目が覚める
3. 起床予定時間よりも早く目覚めて、その後眠れない
4. 眠りが浅く、睡眠時間の割に熟睡した感じがない
5. 日中気分よく過ごせない
6. 日中、普段どおり活動ができない
7. 日中、眠くて仕方ない

 どれか一つでも当てはまりましたか。よく当てはまる人はダイエットにも影響を及ぼしてしまうので要注意です。睡眠不足というのは、体にとって不快な状態であり、ストレスを多く抱えてしまうものであるため、それに対応するためにコルチゾールというホルモンが分泌されます。これは、体脂肪の分解を抑えてしまって、エネルギーとして使わせないような働きをしていまいます。また、厚生労働省によると、睡眠時間4時間を2日間続けただけで、食欲を抑えるホルモンであるレプチンが減少し、代わりに食欲を増進させるグレリンというホルモンが分泌されるということがわかっています。よって、睡眠不足が食欲増進につながり、過食になる場合も大いにあり得るわけですね。睡眠不足=ダイエットの敵だと認識しましょう。

睡眠不足で生活習慣病のスイッチに

 現代人はいったいどれくらいの時間を睡眠に当てられているのでしょうか。生活習慣病がはびこる今の日本にとって、睡眠不足は大きな問題であることは間違いないでしょう。睡眠時間の国際比較をしたグラフがあるのですが、日本人が他の国平均よりもいかに少ないかがわかると思います。グラフでは「有職者」の平均睡眠時間です。そして、男性よりも女性の方が睡眠時間が短いです。これは仕事をしながら子育てをしている女性が多く、睡眠に十分な時間を当てられないことが想像に難くないですね。また、慢性的な睡眠不足に陥っている人は、糖尿病や心筋梗塞、狭心症など様々な生活習慣病に罹るリスクが上がることも明らかになっています。
 また、日本人の有職者の約2割が交代勤務に従事しているため、夜勤に入ることで体内時計にズレが生じ、24時間周期の概日リズム(サーカディアンリズム)が乱れる人も多いです。そして、夜間にはBMAL1(ビーマルワン)という遺伝子、そしてそのタンパク質が活性化します。BMAL1は体脂肪を分解するのを抑制し、体脂肪をため込むという働きがあります。コルチゾールもそのような働きがありましたね。このBMAL1が活性化する時間帯が実は夜間ですので、夜勤中にご飯を食べるとより太りやすいというのは科学的にも正しいわけですね。特にBMAL1が活性化しにくい時間帯が10時~16時くらいなので3時付近のおやつは比較的太りにくいことになります。ただし、だからと言ってたくさん食べても太らないかというとそういうわけでもないので、一日の総摂取カロリーは考えるようにしましょう。

睡眠をとればダイエットも促進される

 睡眠不足だと体脂肪が分解されにくいということがわかりましたが、逆に言うと「睡眠時間がしっかり確保されているとダイエットにも効果的」だと言えます。睡眠時間が確保された状態で、朝日を浴び朝食を食べ、ほどよく運動をするなどで、体がハイパフォーマンス状態になります。つまり、活動的な状態というわけです。そうなると体が上手くエネルギーを使うことができ、ストレスも感じにくいためコルチゾールなどのネガティブホルモンも少なめになります。そうれなれば、夜もしっかり眠ることができ、夜中まで起きていてBMAL1が活性化している時に空腹で何かを食べてしまうことも減るわけですね。人生の3分の1も寝ていると思うともったいないような気もしますが、眠くてストレスの多いまま過ごすよりも、活動的でストレスが少ない状態で快適に過ごす時間の方がより充実してそうな気もしますね。

この記事の著者

中村将太  1989年11月生まれ
高校の英語教員として働く中、2020年に久留米市のパーソナルジム ニックスフィットネスをオープン。代表トレーナーを務める。
日本ダイエットスペシャリスト協会認定講師でもある。
得意分野はダイエット指導で、専門知識をふんだんに駆使して、お客様のダイエット成功の道を作ることが何よりのやりがいと感じている。ダイエット・ボディメイク・健康のことでお悩みの方はお気軽にLINEにてご連絡ください。また、中国武術の詠春拳教室でも指導を行っています。

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